Quanさんの書評
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「頭蓋骨の中の楽園」(講談社ノベルス)浦賀和宏

 安藤直樹シリーズ第3弾。前作をよんでないと、結末で何がなんだか。
 登場人物に感情移入できないという点で、共感できない部分が多いが、なんというか……救いがないね。ミステリとしての技術=複数の事件・事実を一つの結末へと収束させていく手法は、京極夏彦もかくやと思うが、さすがにあれほどのすごみは感じられない。
 話で聞くと、安藤直樹シリーズではこの作品が酷評されているが、それはどうしてだろう。やはりあのオチのせいかなあ。たしかに文句をつけたくなるおちではあるが、これはこれでいいと思う。ただ、どうしても「記憶の果て」「時の鳥籠」と順番通りに読まなきゃいけないだろうが……。そこら辺不親切だ。
 さて、続けて「とらわれびと」を読むぞ。
評価☆☆☆☆

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