六月前期

『日本剣客伝・一』『どすこい(仮)』『未来放浪ガルディーン,3』
『はみだしバスターズ,6』『はみだしバスターズ,7』『新ロードス島戦記,序章』
『木製の王子』

『日本剣客伝・一』
南條範夫・池波正太郎 朝日文庫


読始6/4 読了6/7

コメント・・・
剣客話二話収録。塚原卜伝を南條範夫が。上泉伊勢守を池波正太郎が書いている。
塚原卜伝ってのは正式な名前じゃあなかったんだね。部と書いてウラベと読む流派の剣をえる者ということで、卜伝。
卜伝塚原高幹。高幹はたかもと、って読んでね。文中はほぼ常に、高幹で書かれる。
しかし、卜伝といえば老人姿をイメージしてしまうだけに、二十代からはじまる若き日の修行風景など読むと不思議な感じがする。そりゃあ、誰だって若い頃はあるし死ななければ年寄りになるわなぁ(爆)
いや、剣士でありながら寿命まで生き続けたことこそ、達人の証ともいえよう。
まぁ、とにかく、若い卜伝の戦日記とでも言っておくかな。
開眼した技は一の太刀。
そして上泉伊勢守。
この人をとにかく達人扱いしている作品に山田風太郎の忍法帳があるが、あいにく、この小説ではそんな達人になる前の一城主としての伊勢守から物語は始まる。
時代としては上杉謙信と武田信玄がいがみ合いはじめた頃。
とにかく、どちらの作品も、達人度が足りない。
読んだだけで自分が大剣豪になったような感覚が無い。
イマイチ(爆)




『どすこい(仮)』
京極夏彦 集英社


読始6/8 読了6/13

コメント・・・
おもしろいっ!!
いつもの京極とは全然違うが「毎度バカバカしいお笑い」ってヤツが好きな人は大満足の確定申告だ。
有名作品にデブと力士を登場させる醜悪なパロディ攻撃。
繰り返しが長すぎてしらけるギャグもあるが・・・
まぁ、基本的には笑い飛ばせるバカ話ばっか。
プルプル震える脂肪の津波に飲み込まれて、笑え(笑)



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『未来放浪ガルディーン,3 大豪快。』
火浦功 角川スニーカー文庫


読始6/8 読了6/8

コメント・・・
薄かった。あっという間に読み終わった。充分笑わせてもらった。
以上。(爆)
それにしても、続きが読めるとは思ってなかったもんね、コレ。
間に外伝が入ったとはいえ、本編は14年ぶりだよ、14年。
田中芳樹のゆっくりっぷりなんて目じゃないよ。菊地秀行のエイリアンシリーズ復活だって10年。
まぁ、よく書かせてもらえたな、と。
面白いは面白い。バカバカしいのは好きだ。
火浦式ギャグ好きは必見。




『はみだしバスターズ,6 幸運なんてひとりじめっ!』
神代創 富士見ファンタジア文庫


読始6/9 読了6/9

コメント・・・
ナニがはみ出しているかというと、世界からはみ出しているのではないだろうか。
とうとう、舞台は星の外に移ってしまった。
だが、メインキャラ達は、魔法のある世界、ファンタジーなキャラクターなのである(爆)
ご先祖様が乗ってきた宇宙船をオークションで売り飛ばして、貧乏騎士の城の再建費をひねり出すとか。
そんな宇宙旅の途中、女主人公クリスは「幸運の星」というアイテムの存在を知り、是が非でも入手してやろうと行動に移る。
だが、宇宙借金取りの襲撃に合い、ようやく辿り着いた星で待っていたのは、クマのぬいぐるみに似た生物、キャアであった・・・
幸運の星はドコだぁ!!
と叫びつつ、恐ろしい展開に・・・




『はみだしバスターズ,7 そんなのなんて最低よっ!』
神代創 富士見ファンタジア文庫


読始6/13 読了6/13

コメント・・・
さて、上の続き。
幸運の星を横取りされたクリスは全力で取り返しにかかる。
が、宇宙海賊の妨害に合い・・・
虜となって、見世物バトルにかりだされる。
痴情のもつれ、三角関係が織り成すデンジャーなバトル。
イキオイはあるんだけど、内容の中途半端さが物足りない。
そんな出来なのに、とりあえず完結。




『新ロードス島戦記 -序章- 炎を継ぐ者』
水野良 角川スニーカー文庫


読始6/13 読了6/14

コメント・・・
1巻の後に発売された序章(笑)
新ロードス島戦記を理解し、楽しむための短編集だ。
「新」の世界の脇役達が、アピールしまくり。
先に読んだのは正解だったな。
面白かった。




『木製の王子』
麻耶雄嵩 講談社ノベルス


読始6/14 読了6/20

コメント・・・
う〜〜〜〜ん。タイトルの意味がわからん(爆)
今回は、『翼ある闇』以後の話なのでメルカトルは出てこないし、烏有も出てくるだけ。
活躍するのは、木更津探偵。「翼ある」以来の登場か?
で、内容はというと、時刻表のように完成された分刻みのアリバイを持つ家族の中から犯人探し。
細かい時間割の研究は面倒なのでパス(爆)
その代わり、計算抜きの発想の転換までは行ったが、ちょっと行き過ぎだった。
三割正解。
それ以外の・・・動機などの部分は割りとあからさまに書いてあるんだけど、完全看破するにはもう一歩踏み込まなきゃいけなかったんだね。
「そういうことだったか」と納得のいく作品。



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