二月後期
『風邪ひきエスパーの逆襲』・『ユウ』・『解体諸因』
『夜叉姫伝,5』・『哲学者の密室(上)・(下)』
『風邪ひきエスパーの逆襲』
吉岡平 ソノラマ文庫
読始2/15 読了2/16
コメント・・・
もはやヤケクソ状態と言ってもイイのではないだろうか?
主に作者の趣味と思われるフライフィッシングの話でほとんど終わっているぞ。
(性格が)可愛くないヒロインをめぐって決闘を始める柳佑と侯爵。
二人ともマゾの素質は十分だ(爆)
果たして、インドの躍るプログラマーは背後霊の謎を解明できるのか。
主人公は年貢の納め時となるのか。
吉岡平が冗談で書き始めたスチャラカ小説三部作、これにて一旦の閉幕。
やっぱり・・・勉強になるなぁ、というだけでストーリーに感心する人間は滅多にいないのではないだろうか?
身内リンクから行ける、紐兄の所のリレー小説、紐育探偵に近いかも(爆)(爆)(爆)
『ユウ 日本国民全員参加テレビ新企画』
清涼院流水 幻冬社推理叢書
読始2/16 読了2/17
コメント・・・
不発。
木村彰一シリーズである(前もって19ボックスとエルくらいは読んでおこう)
それだけにエルさえ読んでいればほとんどのオチを先読みすることが可能。
しかも、エルでやったみたいに、読み方によって2回は楽しめる、というシステムが正常に作動していなかった。
1,2,3,4のUで語るべきだったのは彼の行動ではなく彼女の行動にするべきだったのでは?、と読んだ人にしか分からない言い方をしてみたりして・・・
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『解体諸因』
西澤保彦 講談社ノベルス
読始2/17 読了2/18
コメント・・・
なんていうのかな。想像推理小説?(笑)
短編なので(という言い訳は意味あるのか?)事件→推理の速攻です。
ちなみに、推理は推理なだけで、実際に犯人逮捕のシーンや犯人の告白などは無く、ただ、無責任に「・・・ということなんじゃないかな」と、素人探偵が推理だけして「ふーん、なるほど」で終わる。
ちょっと待てぇえ!!(笑)
バラバラ殺人事件にこだわった短編9本。だが、登場人物の名前をチェックしておくと面白さが5割り増しになるぞ。
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『夜叉姫伝,5』
菊地秀行 ノンノベル
読始2/18 読了2/19
コメント・・・
なかなか終わらない、「VS中国四千年の吸血鬼」編
敵も味方もしぶとすぎてまったく死人が出ない。いや、まぁ、吸血鬼が死人かどうかというのは非常にデリケートな問題なのだが・・・
『哲学者の密室(上)』
笠井潔 カッパノベルス
読始2/19 読了2/27
コメント・・・
うっわぁ〜、わっかんねぇ〜(汗)
だってさぁ、密室殺人の推理をするのに「密室とは何か」って哲学始めるんだぜ?
「私は私の死を死ぬ」。???
「密室内での死とは特権的な死を封じ込める儀式である」。???
これらの推理を分かりやすくするため(煙に巻くため?)、ストーリーの半分近くはハルバッハの死の哲学について語られる。
もぉ、ナゾナゾナゾのクエスチョンでござるよ〜。
確かに、主人公の推理方法。事件の本質を悟り、犯人を決めてからその犯行の過程を想像するという本末転倒式の推理は興味深いんだけど、そのためにこんなややこしい哲学を持ち出されるとどーにもこーにも。
なんかタルイ。よほど気合いが無くちゃ読めないでしょ。コレ。
『哲学者の密室(下)』
笠井潔 カッパノベルス
読始2/27 読了2/29
コメント・・・
などと前回言ったが、多少方向転換をしなければならなくなった。
今回、本筋であり推理の基盤ともなるハルバッハの死の哲学だが、どーもコレは笠井潔がオリジナルに編み出した哲学論らしい。
自分で作った理論を自分の作品の大黒柱に据えるとは、なんとも壮大な話だ。
と、いっても面白くなるわけではない(爆)
賞賛の言葉はあくまでも「すごい」であって「面白い」にはなかなか成り得ない。
かなりの読解力がないと読破自体つらいモンさ。
それに、珍しいのは外国を舞台に外人ばかり現れる(笑)作品だということ。
日本人は探偵の矢吹駆だけ。
そのせいか読みにくさアップ(?)
あーーーー、難しかった。
さて、8/29日。Quanさんの書評を読んでブッたまげる。
ハルバッハってのはハイデッガーのことなんやて。
ぐはぁ!!
むぅ、言われてみれば確かに!!
ということなので、
>自分で作った理論を自分の作品の大黒柱に据えるとは、なんとも壮大な話だ。
の部分を、ハイデッガーの哲学論を自分の推理小説に組み込むとはなんと器用な!!
と書き換えておこう・・・
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