十一月後期

『サイコロジカル(上)』『サイコロジカル(下)』『世界は密室でできている。』
『想師』『レンズマン・シリーズ,3』『幽剣抄』

『サイコロジカル(上)兎吊木垓輔の戯言殺し』
西尾維新 講談社ノベルス


読始11/18 読了11/19

コメント・・・
玖渚友の昔の仲間であるウツリギガイスケが堕落三昧マッドデモンと呼ばれる斜道卿壱郎博士に囚われている、ということで救出作戦が始まった。
・・・のだが、本人が「斜道研究所から出る気がない」とか言うんですが。
さて、どうするべぇ、と相談しているうちに兎吊木は惨殺死体になっちゃうし、困ったもんだ(爆)
いやいや、本当に困るのは斜道博士が玖渚友を犯人にするための理論を組み立てるために、彼女らを檻の中に閉じ込めてしまったこと。
さーて、どうするどうなる戯言遣い。




『サイコロジカル(下)曳かれ者の小唄』
西尾維新 講談社ノベルス


読始11/19 読了11/20

コメント・・・
さて、研究所にもぐりこんでいた謎の侵入者、石丸小唄によっていーくんは檻の外に出してもらえた。
ものすごい速さで、兎吊木殺害の犯人を見つける、あるいはでっちあげなければ玖渚友が犯人に仕立て上げられてしまう。
でっちあげバトル?なんというか・・・戯言だな(笑)
両目を抉られ、口内を貫かれ、両腕を切り落とされ、腹を割かれ内臓をこぼれさせられ、足の骨を砕かれ・・・
死体をそんな目にあわせたのは一体全体なんのため?
パスワード・IDカード・声紋に網膜照合まで必要なロックを越えて、しかも、センターの記録にドアを通ったというログも残さず、すなわち密室に入り込み、惨殺死体を残して消え去った犯人とは?
まぁ、『知っている』話だったのでだいたいのオチは読めていたんだけど、いーくんの戯言にはなかなか驚かされたかな。




『世界は密室でできている。』
舞城王太郎 講談社ノベルス


読始11/20 読了11/21

コメント・・・
まぁ、これ単体でも読めるけど、どおせなら前作の土か煙か食い物を読んでおいた方がいいのかな?主人公中山友紀夫13歳は高いところに登るのが好きだったけど友達が落ちて怪我して死ぬのを見て以来その趣味をひかえていた。その友達いうんは友人である番場潤二郎通称ルンババの姉の涼ちゃんであったが落ちた時に即死しなくて病院で苦しんだあげくに親からはバカやアホやと説教されながら死んだんじゃあたまらんわいなぁ。
しかしその話はとりあえずおいといて、友紀夫とルンババが中学の修学旅行に行った先で出会ったリトル事件とちょっと性格の変わった姉妹。彼女らとのそれほど深くない係わり合いを書きながら、最終章ではもう二人の少年は19歳になっている。裏表紙に書いてあるとおりの青春エンタメであって推理小説ではない。一応殺人事件や密室やらが登場してルンババはそれを解決するのだが。それはあくまでもオマケ。酒のおつまみ程度でストーリー展開にはほとんど関わっていないといっていいだろう(笑)
面白いかと聞かれると、さぁどうだろう。まぁ、普通程度には面白いか。ラストの青春っぷりには感動もした。こんな風に改行のほとんど無い文章で書かれてるけど読みにくいってことはなかったヨ。



並列書評に飛ぶ
『想師 EXPLORER IN THE VISIONARY WORLD
灰崎抗 学研


読始11/22 読了11/25

コメント・・・
草薙遼。25歳。想師。
想師とは、自分の都合の良い角度でモノを見ることで本当に自分に有利な世界を作り出す者・・・とでも言えばいいのかな?
視点を変更すると世界は一変する。
遼の場合は、特に、色による状況確認が得意なようだ。
人間が人間の姿に見えなくなっても、非生物が動き出すような世界でも、色が相手の心理を教えてくれる。
怒りの赤。欲望の緑。欺瞞の黄・・・
ところで、↑の説明ページにカラーペンでラクガキがしてあってブチキレですよ。
まぁ、とりあえず、想師ってのは麻薬中毒者が見るような幻覚をシラフで見てると思えばいいのかな(笑)
遼はシティーハンターのような復讐や、その他諸々想師の力を使って解決できる仕事をこなしている。
悪人相手でも殺人は殺人で正義の味方じゃない、なんてぼやきながら。
そんな彼がある日、巨大な悪の想師、九鬼凍刃と関わってしまい、流されるように『世界の平和』のために戦わざるを得なくなる。
俺が世界を守りたいのは彼女のためだ、なんて言いながらだけど。
まぁ、面白かったです。
設定は最高に新鮮で良かったけど、文章の方はイマイチだったかな。
ノリノリで書いた作品ではなく、少しずつ考え考え進めたような・・・
まぁ、そんな感じでイキオイで押してはこなかったな。



並列書評に飛ぶ
『レンズマン・シリーズ,3 第二段階レンズマン』
E.E.スミス 小西宏:訳 創元推理文庫


読始11/26 読了11/30

コメント・・・
第二段階レンズマンとは、レンズの新たなる力に気付き、もう一度アリシア星人導師の下で修行を行った者である。
主人公キムボール・キニスンや、ドラゴン型宇宙人のウォーゼル。ドラム缶に触手が生えたようなトレゴンシーに加えて新登場したのが、冷血(性格というより生物学的な)非酸素呼吸者のナドレックだ。
とにかく、控えめで腰が低くレンズマンとは思えないほど臆病で腰が引けている。
が・・・ホント、この話のラストでの彼の活躍っぷりには「ウヒョー」でした。
キムだって負けちゃいませんがね(笑)
なにしろボスコーンと係わり合いのありそうな惑星に侵入後、似ている軍人と入れ替わり、国・・・いや星ののっとりをかけるわけだ(爆)
やりすぎっしょ。
イラクにもこんな風に潜入してトップをとってみやれ。




『幽剣抄』
菊地秀行 角川書店


読始11/30 読了11/30

コメント・・・
まさかの名作。
幽霊と武士の出てくる時代劇風オカルト短編集である。
特に、一本めの影女房。
しんみりとして幽玄でありながら、お茶目でもある。
要するに、完璧(笑)
他には、結構分かり辛い作品もあるかな。
しかし、こういう形の・・・幽霊恨み節で楽しめるってのは意外だった。




トップに戻りたい
リストに戻る
欄外 ゲームの伝道


サターン版の皇龍三国演義をプレイ中。
あんまり面白くない(爆)
それでもなんとかシナリオ1をクリア。
結構マヌケな歴史を作っちゃったな・・・
孫堅でスタートして、後継ぎに孫策を準備していたにもかかわらず、どこかの戦争で孫策を捕虜にとられ、我が国の後を継いだのは司馬仲達。
そして・・・某国の後を継いだのが孫策・・・
激しく敵になりやがりました(笑)