三月後期
『狐と踊れ』・『妖魔八つ目軍団』・『敵は海賊・海賊達の憂鬱』
『人格転移の殺人』・『超・誘拐入門』・『くらげの日』
『会議室の愛人』・『エイリアン魔神国(上)』・『闇の運命を背負う者,3』
『ラグナロク,3』・『クールフェイス』・『ラグナロク,4』
『死者は黄泉が得る』
『狐と踊れ』
神林長平 ハヤカワ文庫JA
読始3/18 読了3/20
コメント・・・
初期作品短編集だ。「狐と踊れ」は衝撃のデビュー作らしい。
が、基本的に拙者の好みとは違うようだ(爆)
だってさ、当時の(今でも?)SFのショートショートってブラックな話ばかりじゃないか。なんで、一律でブラックなのかな。たまには読者を笑い死にさせるようなトリックを持ってきてくれないと。
イマイチ乗れなかったのは、そんなお約束な雰囲気が出ていたからかな。
やっぱ、拙者は意外性を重視して欲しいね、読者としては
『妖魔八つ目軍団』
北原双治 フタバノベルス
読始3/20 読了3/20
コメント・・・
エロス&バイオレンス。この作品のキャラの呼吸法が怪しいので夢枕系と言っておこう(爆)
カワヤツメを操る八つ目族。カワヤツメに襲われる女性陣。そして、カワヤツメと八つ目族を退治るために暴れる主人公。
この主人公の戦う理由が、世界のためにではなくて恋人救出のためというのは・・・賛否両論(?)
感想は・・・古くさくてちょいとイマイチな感じ。
出だしは良かったんだけどねぇ・・・バトルシーンがヘン(爆)
『敵は海賊・海賊達の憂鬱』
神林長平 ハヤカワ文庫JA
読始3/20 読了3/21
コメント・・・
正義の政治家(星治家)マーク・マーマデューク。
死んでも死なない、彼の『正義のための海賊撲滅(改心?)活動』に、なぜか海賊も宇宙警察海賊課もやる気が失せていく。
果たして彼の力は銀河を平和に導くことが出来るのか?
そんなことになったら海賊課の立場はどうなる?幻の大海賊ヨウメイだって黙っちゃいないはずだぞ?
謎が謎を呼ぶような気はするが、推理小説のようにヒントはないので自力で解読するのは無理だろう(爆)
まぁ、ゆっくり楽しもう
それにしても・・・裏表紙のあらすじではマーマデュークがアーマデュークとなっている。担当は本文読まずにあらすじ書くのか?無責任だなぁ・・・
『人格転移の殺人』
西澤保彦 講談社ノベルス
読始3/21 読了3/23
コメント・・・
宇宙人(?)が残したと思われる謎のシステム、セカンドシティは人間の人格を入れ替えてしまう。
しかも、一度入れ替わった精神は不定期的に交換される。
精神と肉体のフォークダンス状態。
そんな中で殺人事件が起きる。肉体と精神が一致しないのでナニがなにやらさっぱりクエスチョン。
いや、拙者は八割方のオチを読み切ったんだけど・・・
100%でなければ勝ったとは言えないか
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『超・誘拐入門』
清水義範 角川文庫
読始3/24 読了3/24
コメント・・・
前作、超・怪盗入門の鍋島鉄平と網代潤一。
と、同姓同名同性格のキャラクターが今度は誘拐事件に巻き込まれる(笑)
リーダーは退職間近の窓際オジサン。
社長が替わってワイロばらまき作戦で急成長した会社が許せなくて・・・
そう、その情報を握っているために『警察』は事件に介入してこない。
100%成功間違い無しの誘拐事件に微妙な齟齬が生まれ(?)
笑えます。清水義範は短編より一冊丸で使う作品の方がイイです
『くらげの日』
草上仁 ハヤカワ文庫JA
読始3/24 読了3/25
コメント・・・
なかなか面白い・・・モノもある(SF短編集だ)
ワケのワカラン展開に持ち込むのが得意みたいで、ほとんどの場合、場面がビジュアルでイメージ出来ない。
逆に言えば、それが出来る部分は面白い、と。
とりあえず、表題作の「くらげの日」が一番かな。
ようやくマーナとの結婚の「順番」が回ってきた男が、道をくらげにふさがれて・・・
それだけでも笑えるが、この後起こる不幸が更に笑える(笑)
あと5本あるけど面白いと言えたのは「サルガッソーの虫」くらいだ。
ギャグと言うよりホラーっぽい展開だけどこれも良し。
「眼鏡探し」なんかは趣味が合わなかったなぁ・・・
『会議室の愛人』
北沢拓也 ノン・ポシェット
読始3/25 読了3/25
コメント・・・
長編官能小説、らしい(爆)
らしい、ってあんた。うむ、エロスが弱いから「ら・し・い」だ。
ストーリー的には悪くなかったんだけどねぇ
副社長に命じられ、セクハラ対策係になったのはナイスガイ(らしい)総務部部長水落慎平。
女性社員と深い仲になりながら、セクハラ事件を正しく大岡裁きでバッサバッサと片付ける。
それはそれでイイとしても、官能小説のくせに、エロスレベルが山田風太郎や菊地秀行に劣るようじゃ問題有るだろ・・・とか思ったりする。
困ったもんだ(爆)
『エイリアン魔神国(上)』
菊地秀行 ソノラマ文庫
読始3/25 読了3/26
コメント・・・
言わずと知れた八頭大のトレジャーハントシリーズ、ただ、自分の頭の中では「エイリアンシリーズ」と呼んでいる。
この巻は、記憶喪失の品の良い美少年が大の家に転がり込んできて、いつも通りのビッグトラブルに巻き込まれ(飛び込んで?)しまう。
今回は一国を敵に回しての大戦争。になるはず(爆)
この巻では日本から出ないからね。それでも十分すぎるほどのアクションシーンがたっぷりと。んだけど、拙者は銃火器マニアじゃないから武器の名前・性能に対する細かい書き込みにウットリすることは出来ないのである(日本刀ならなぁ・・・)
それにしても、89年の発売か・・・
現実の科学力はこの小説にドコまで追いついているのだろうか(笑)
『闇の運命を背負う者 エピソード3』
神坂一 角川スニーカー文庫
読始3/26 読了3/26
コメント・・・
背負ってません(爆)
もう、すっかり2巻までの話は忘れてるんだけど、超能力者同士のケンカ物語(をーい・・・)
スレイヤーズに負ける部分としては、エレメンタル系の技が出てこないのでどの戦闘も変わり映えがせず、格闘ゲームで言うと同キャラ対戦の連続に見えるところかな。
ついでにいうと、どうしてもキャラクターが映像的にイメージできない。個人的な問題か?(爆)
ストーリーは前回倒したはずの「マスター」が実はまだ生きていた、って話なんだけど・・・
だから、覚えてないってば・・・
まぁ、とにかく、再びマスター退治、と。
最終巻らしくまとめるため(?)視点が高速でパチパチ切り替わります。最近のアニメ的手法か?
ハッピーエンドとは言えないけど、某平井的なバッドエンドでもない、中途半端な感じが諸行無常にリアルかな。
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『ラグナロク,3 銀の深淵』
安井健太郎 角川スニーカー文庫
読始3/27 読了3/27
コメント・・・
やっぱりズレてるな。拙者の趣味とは。
なーんか、前時代の武器が次々と飛び出してくる辺りが、人気マンガ「ワンピース」の『悪魔の実』能力者がポコポコ無造作に出現してくるのとかぶっちゃって、うみゅうと唸ってしまうのだ。
主人公のリロイだって、ライトニングなんて二つ名を持った一流傭兵だけど、その能力も結局は体に流れる<闇の種族>の血のなせる技なんだから、なんかドーピングっぽくてイカサマだなぁ、などと考えてしまう。
ストーリーはとにかくバトルアクションの連発。なんだけど、個人的に不思議なのは途中からキャラの動きが見えなくなること。
文章から状況を想像することが途中から難しくなって、読み戻すの面倒だからまぁいいか(爆)
せめてもの救い(?)は、作者とストーリーテリングの趣味が全く違うので推理小説以上に先の展開が読めなくて新鮮なトコ。
なんか、ヘン
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『クールフェイス』
藤原征矢 ソノラマ文庫
読始3/28 読了3/28
コメント・・・
コレもかたゆでマックの様なSFモノだと思っていたのだが(表紙を見て、ね)ちょいと意味の違うSF。
大水で世界が沈んでしまい、機械文明を失った(水中から引き上げられて使われているモノもある)人たち。
人類の文化レベルは中世辺りかな。
そんな時代の士官学校に飛び級で入学・卒業した15歳の冷たい美少年が主人公。
王女様の護衛(子守?)役に大抜擢。
と、なれば、王女様は命を狙われなければいけない。ソレはお約束(爆)
周りに現れるのが美少女ばかりだというのに無表情のままビクともしないレニーくんに乾杯(笑)
『ラグナロク,4 青き双珠』
安井健太郎 角川スニーカー文庫
読始3/28 読了3/31
コメント・・・
そろそろ、パターンに気づけるようになった。
前半が『VS人間』の小競り合い。後半が『VS闇の種族』の大バトル。
違う?まぁ、あまり気にしないように・・・
今回は気を付けて読んだのでバトルをイメージ化する事に成功。
なぜか回を追う毎に無敵性が弱っていくリロイ。コレは何かの伏線なのか?
うん、まぁ、そこそこのファンタジー。
なぜか、脇役が無惨に肉塊にされるのが気に入らない・・・
菊地秀行だと気にならないのに・・・
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『死者は黄泉が得る』
西澤保彦 講談社ノベルス
読始3/31 読了3/31
コメント・・・
不思議だな。西澤保彦の小説って『新本格』に分類されてたんだ?
なんか、超能力とか宇宙人の残した遺跡とか出てくるから本格推理とは呼ばないんじゃないかな、と思っていたのだけど、そういう世界観で分類するわけではないらしい。
今回は、死体を甦らせる謎の機械が絡んだトリック。
生前・死後。二つの時間が絡み合っていって最後に導かれる真相と言葉のトリック。
なるほど新本格だよ、おやっさん(笑)
しかし、見抜くのは難しくないか?どの時点で真相に気づけないといけないのか。
『読者への挑戦』というあからさまな一ページが欲しいよ(爆)
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