五月後期

『仔羊たちの聖夜』『燃えよギョーザ3兄妹』『エキセントリック・ゲーム』
『酒仙』『デモン・スレイヤーズ!』『あいにくの雨で』
『白魔の微笑み』『奏楽都市OSAKA(上)』『騒楽都市OSAKA(下)』
『大冒険(下)』『ストレンジャー』『天才の条件』
『蒸機の十字軍』『幻惑密室』『ニードリッパー』
『妖手の守護者』『暗黒の秘儀』『冥界の門』
『住めば都のコスモス荘』

『仔羊たちの聖夜』
西澤保彦 角川書店


読始5/16 読了5/16

コメント・・・
いつもの如く匠千暁と仲間達シリーズです。が、
今回はそれほどの妄想推理は暴走しません。
タックは今回あくまでも聞き手。って言うか推理することを止められる(笑)
高瀬千帆。タカチが自分の過去に重なる気配を事件から読みとり一人で推理解決(?)
事件そのものは、クリスマス頃に発生した『幸せの絶頂にいる人の飛び降り自殺。隣にはなぜかプレゼントが一緒に落ちていた』である。
いまさら、去年の事件を思い出したボアン先輩。
オマケシーンは初顔合わせタック&タカチ。まぁ、ボアン先輩との飲み会も今回が初めてなんだけど・・・
さらに今年はボアン先輩の元同級生にして、現講師であるカモさんが飛び降りる。プレゼントを持って。
一体何がなんなのか。
どんでんレベルはあまり高くないので匠千暁シリーズではなるべく早めに読んでおくべき作品かも。



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『ゴクドーくん漫遊記外伝,8 燃えよギョーザ3兄妹』
中村うさぎ 電撃文庫


読始5/16 読了5/17

コメント・・・
今回は爆笑度はそれほど高くなかったんだけど、なぜか胸にググっと来た。
以外と重たい内容扱ってるかも。
ひょっとしたら、みんなはドコが胸に来るのか分からないと言うかも知れないが、まぁいい(爆)あくまでもこれは拙者の感想。
拙者も料理を愛するから出た感想だろうか(笑)
とはいえ、やっぱシリーズ的には地味だなぁ。
一応読んでおきな、程度のお薦めしかできないんだけど、うさぎファンならほっといても読むだろうし(笑)
ううっ・・・言うべきこと無し!!




『シャーロキアン・クロニクル,1
エキセントリック・ゲーム』
真瀬もと ウィングス文庫


読始5/17 読了5/17

コメント・・・
シャーロックホームズの世界を大胆に解釈する作品。
今回はモリアーティ(自称?)しか出てこないのだが、モリアーティ=ホームズという等式を生み出そうとしているらしいぞ。
コレは特に推理小説というわけではなく(今後どんな形式をとるのかは知らないが)、モリアーティに出会った(関わった)人間からの視点で、事件を通して彼の妖しさと闇側の魅力について語るという・・・
拙者はなにせホームズなぞ小学生の頃に子供向けバージョンを読んだっきりなのでナニも言えない(爆)
どーでもいいけど、女の子向け文庫だったのかな。出てくる男性キャラみんな細身の美男子と美オジサマ(笑)
ああ、そう言えば事件の影に男X男。
胡桃沢耕史かいっ!!(笑)




『酒仙』
南條竹則 新潮文庫


読始5/17 読了5/19

コメント・・・
第五回日本ァンタジーノベル大賞優秀賞らしい。
とはいえ、時代は平成で、主人公が酒を飲んだくれたあげく、家を没落させ、残った紹興酒を風呂にあけ酒池に浸かって死にかけたところを仙人に助けられるという体たらくでは、ファンタジーという表現がこれ以上似合わない話もあるまい。
裏表紙解説では、なにやら、古典のパロディ満載で抱腹絶倒らしいが、あいにく・・・(爆)
つまらなくはないんだけど、まぁ面白いと褒めるほどでもあるまい。
ただ単に、拙者が酒飲みの話を読みたかっただけなのだ。
拙者の場合、一人で飲めば缶ビール1本で眠れるが、オフ会ではピッチャー2つあけて、ワインにサワーにガーガー飲んでビクともしないという不思議な体質(?)
まぁ、そういうイカサマ酒飲みとしては、こういった正しい酒飲みの小説を読んで酔い方の勉強をしなければならんのです(爆)

かりくす めうす いねぶりあんす
くあむ ぷらえくらあるす
我が酔い痴れの杯よ
おんみは光りかがやける

さて、飲むか(笑)



『スレイヤーズ,15 デモン・スレイヤーズ!』
神坂一 富士見ファンタジア文庫


読始5/17 読了5/17

コメント・・・
それなりに巧くまとめた。
しかし、無理矢理終わらせたという匂いがしないかい?
それにしても、道標と憎悪からこのエンディングを引き出したのか、このオチをつけるために道標と憎悪を書いたのか?
どっちにしてもやや不満が残るな・・・
前回が面白くなかったから、相対的には面白く感じるんだけどね。
ラスボスの予想がつかなかったし。ギャグもお約束で良かったし。
でも、まぁ、ファンとしてはこの程度で満足するわけにはいかないな、と。
ワガママ?



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『あいにくの雨で』
麻耶雄嵩 講談社ノベルス


読始5/19 読了5/20

コメント・・・
突然解決編から始まる。で、時間が戻るわけだ。
「塔」で起きた謎の密室殺人。密室といってもアレだ。ほら、雪密室。足跡が片道しかない、という。
そして、現場発見者になった高校生、如月烏兎と親友二名は探偵を始める。
同時に、生徒会の実権を奪うべく謎の陰謀が策動する。しかし、生徒会にどのような魅力があるのかは謎である(爆)
実は生徒会の隠し諜報委員でもある烏兎はそちらの解決も余儀なくされる。
結局・・・
推理失敗!!
作者が一番怪しく書いた人物を素直に疑ってしまった・・・
情けない、ったら(涙)



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『ホルス・マスター,2 白魔の微笑み』
嬉野秋彦 ファミ通文庫


読始5/20 読了5/21

コメント・・・
相変わらず戦闘時の効果音が太字の平仮名である事をのぞけば・・・(笑)
妹を守ることに命を懸けるシスコン男アルハイム。
今回は妹を守るさらなる力を手に入れるため、新たなる誓約の剣を求めてその街にやってくる。
傍若無人なアルハイム。ジタバタ騒いで泣かされるプルプリッサ。
シリーズ2作目にしてすでにお約束が確立される。
コレといった見所はないが、気軽に読める本だね。




『奏楽都市OSAKA(上)』
川上稔 電撃文庫


読始5/21 読了5/23

コメント・・・
「そう」の字が違います(爆)
「奏」の下に「騒」が来る。けど、そんな字無いなぁ・・・
それにしても、なぜかタイトルがツボ。
内容は今回も今二つです。
華がない。見所、ってヤツが。あえて選ぶならカラー口絵かな。
何となく読んでるけどお薦めはしない。




『奏楽都市OSAKA(下)』
川上稔 電撃文庫


読始5/23 読了5/24

コメント・・・
「そう」いえば、「そう」の字は奏+騒じゃなくて、

 >楽都市、と言いたかっただけなのかも知れない。どーでもいいけど。


さて、けなすほど悪いワケじゃないけど、薄暗くってしんみり雨が降ってきそうな話です。
スカっと晴れねえなあ・・・
何か悩んでいる人にはイイかも知れないけどね。
『悩みが強い人は決断も強い。決断の強い人は悩みも強い』
それぞれの悩みの解決法を・・・真似るかい?
プレステのゲームでも発売されている(この小説の2年後の世界らしい)が、買う予定無し!!!
とりあえず、アクションシーンの書き方が独特に鬱陶しくて(爆)下巻のラスでようやく慣れた感じ。
   将・読書技能・発動・読破・成功
    将・読書/評論技能・重複発動・書評・失敗

ううっ・・・だからなに?(爆)(爆)(爆)



『大冒険(下) ボロブドゥール決戦篇』
朝松健 C・ノベルス


読始5/24 読了5/24

コメント・・・
前回までのあらすじ(全ては記憶だけが頼りだ(笑))
ある日突然、35億円分の宝を収めた塔の鍵だといわれた男が二人。(終戦直後の35億円だから今で言うと・・・?)
猪熊と松浦は道術使いの老師に「塔の中から世界を安定させる神像を取ってきてくれ。中の宝は好きにせい」と、二人の巫女をつけられ旅に出る。
その塔というのがまた困った奴で、アジア各地を転々とワープして回るのである(爆)
そう簡単には追いつけないゾ。
それに、その宝の元の持ち主達(軍事費なのだよ〜)が黙っちゃいない。
CIAも人民軍も旧帝国陸軍もナチスも台湾マフィアも襲いかかってくる。
東大生でありながら金貸しをしているペテン師猪熊と、ヤクザの用心棒をしていた松浦は、それらの敵を追っ払ったり手を組んだり手を切ったり、舌先三寸先は闇、三十六計逃避行。
ま、そういうわけなのだが、下巻も上巻とやることはさして変わらない(爆)
ただ、エンディングに巧く辿り着けるだけさ。
面白かった。
各国代表のキャラがわざとらしいくらいに立ってるし。
ただ、まるで、うち切られるかの如くあっさりとラスに収束したような気がしないでもない。
もう一冊書いても良かったんじゃないかな、と。わがままを言ってみたりする。




『クールフェイス,2 ストレンジャー』
藤原征矢 ソノラマ文庫


読始5/24 読了5/25

コメント・・・
ストレンジャー = 異邦人
一体このタイトルは誰のことを指していたのだろうか?
それに、結局プロローグのマエフリはほとんど意味をなさなかったような・・・
それはともかく、今回は美形のクールフェイス、レニー15歳のライバルとして、美青年貴族レアルフ登場。
レニーの取り巻き美女軍団はどう転ぶ?(ってそういう話ではない)
普通に読める逆SF(まぁ、前回も言った通り、大変動で文化レベルが下がった世界の物語)
でも・・・かたゆでマックのがイイかな。人に勧めるなら。



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『ホルス・マスター,3 天才の条件』
嬉野秋彦 ファミ通文庫


読始5/25 読了5/25

コメント・・・
今回はシスコンメガネ天才剣士アルハイムが中心ではなく、金魚のフンこと自称天才拳士プルプリッサがメインを張る。
プルプリッサって邪魔なんだよね(爆)
名前もややこしいけど、流派がシュシェルバコフ流というますますややこしい名前だし・・・ひょっとして字数を稼ぐためにこんな事を(爆)
だいたい、始まると同時にアルハイムにケツを蹴り上げられて「うけぇ」なんて死にかけニワトリみたいな悲鳴を上げるヒロインなんてかつて無さ過ぎ(笑)対抗できるのはハーメルンのバイオリン弾きのフルートくらいだ。
そして、敵は美女と美少女X2の3名。
まぁ、つまり、この巻は、『ドキッ!丸ごと美女だらけの格闘技大会』なのだ。
作者がそういう挿し絵を望むから(笑)
面白い、っちゃー面白いんだけど、擬音が(以下略)




『トレインレイダー,2 蒸機の十字軍』
西奥隆起 電撃文庫


読始5/25 読了5/26

コメント・・・
前回も書いたけど仮想世界アメリカ合国。わかる?分からない人は自分で「がっしゅうこく」を変換してみなさい。そしてグハッと血を吐いてください(爆)
で、何の略か忘れたけどCILという会社が奴隷を輸送していることを知った『鋼鉄の隼』車長クロノス・アーチャーは会社を抜け敵に回る。
そして、奴隷奪還作戦を発動させるのだ。
けど、その作戦の原案協力である蒸機の十字軍(スチームクルセイダーズ)は彼ら鋼鉄の隼にいい顔をしない。
なぜなら!!
そして・・・(お約束)
ひょっとしたら木村明弘の絵だけで保ってるのかもしれない、物足りぬスチームパンク。




『幻惑密室』
西澤保彦 講談社ノベルス


読始5/26 読了5/28

コメント・・・
あぁぁ・・・、まだ『念力』読んでないのに・・・
と、いうわけで、超能力者問題秘密対策委員会見習い修行中の神麻嗣子シリーズ。
謎の力で社長宅に閉じこめられた4人の若手社員達。
そして、その中で起きた殺人事件。
社長を殺したのは一体誰なのか?
そしてネタバレ
なんだか、若さゆえの過ちというか、田中芳樹的に言うなら『想像力を持たない人間以下のケダモノ』犯罪ネタが増えてるような・・・今度は不連続17歳事件を元にした小説が出たりして
ところで水玉螢之丞が描いたアボちゃんのキャラデザは失敗だよね?
帽子のような、ってんだから、およねこぶーにゃんとか、トトロかクータルみたいな丸い肉塊でないと(笑)



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『ニードリッパー』
菊地秀行 ジョイノベルス


読始5/28 読了5/29

コメント・・・
そこそこ。
菊地秀行の短編は普通つまらないんだけど(爆)、これはつまらなくはない。
まぁ、そこそこ。
読んでもいいし、読まなくても困ることはない。
ちなみに、『ゴリラ男の性生活』の古賀雄一、ってのはエイリアン京洛異妖編に出てきた彼だね。
そして、その女房役の順子というのは、いわずもがな(笑)



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『魔幻境綺譚,1 妖手の守護者』
ひかわ玲子 角川スニーカー文庫


読始5/29 読了5/30

コメント・・・
アヴェーラ帝国に踏みにじられた小さな村落。
オーラトゥナの谷のラトゥースの民は不思議な魔力を持っていたのだが、多勢に無勢。
殲滅。
そして、かろうじて生き残ったたった5人の少年少女。
数年後、彼らはアヴェーラ帝国に復讐を計るのか?
うーむ・・・
冒頭から残酷シーン(爆)
ワリとさらりと書いちゃうんだね。
まだ、今後の展開が読めないんだけど、たった5人で帝国に刃向かうというのならロマンがあるなぁ(違うだろ?)




『魔幻境綺譚,2 暗黒の秘儀』
ひかわ玲子 角川スニーカー文庫


読始5/30 読了5/31

コメント・・・
ラトゥースを滅ぼした将軍の娘として生かされたマナ・ラーヴァ
アヴェーラの貴族という血縁に生かされたジュナー
奴隷商人に売られたトゥールとルティマ
力尽くで生き延びたフェズラーナ
七年越しの怨みを果たすべく彼らは集結する。
五人の長老の力・・・予言,癒し,破壊,天候,死霊、をそれぞれ受け継いだ彼らが集まれば冥界の門を開くことが出来るというのだが。
と、いうワケで、地獄を見た彼らの復讐劇が始まりたいのだが、所詮は五人だし、頭の回るアヴェーラ皇子レンヴァーンのおかげで集結することすらままならぬ。
この回はトゥールの死霊召喚VSレンヴァーンの儀式魔法の対決編らしいのだが。
ま、色々な思惑気持ちの錯綜がイイ感じかも




『魔幻境綺譚,3 冥界の門』
ひかわ玲子 角川スニーカー文庫


読始5/31 読了5/31

コメント・・・
はい、完結。
コレを3冊で納めるのって結構圧縮技術が高いかな、と。
だいたい、一冊が薄いモンね。三冊併せて厚めの朝日ソノラマくらいか?(笑)
登場人物が全てオーラトゥナの谷に集結し、全てが終わる。
やや、バッドエンドだけど、これ以外に道はなかったんだから仕方がない。
一族の仇であり、育ててくれた養父や、アヴェーラ皇女であり、大切な友人になってしまったミネラの顔を見て、自分の進む道を逡巡するマナ。
しかし、もはや、ラトゥースの力は冥界の門を開き・・・
なかなか、面白かったです。
一巻の出だしがちょっぴり血塗れ残酷スプラッタなんだけど・・・
戦争じゃ仕方ないか。
せめてコレを現実にしないようにするしか




『住めば都のコスモス荘』
阿智太郎 電撃文庫


読始5/31 読了5/31

コメント・・・
主人公のヘッポコぶりに手を出しかねていたのだが・・・。
やはり、イラストの矢上裕が好きなモンで、ま、読んでみるか、と。
さて、主人公はパワードスーツのモニターである。
パワードスーツ正式採用のために、地球に解き放たれた三人の極悪宇宙犯罪者の逮捕数をライバル社のモニターと競い合う。
変身した彼の名は・・・
『ドッコイダー』(爆)(爆)(爆)
まぁ、お約束系のギャグで、それなりに楽しめます。
悪くはない。
コレを読むならついでに、『たたかえっ!ヒーローマン』シリーズを読むことをお薦め。作者も出版社も違うけど
ノリは似てるゾ。




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欄外 独り言コーナー


清涼院流水のコズミック・ジョーカーが文庫になっちゃったね。
これではカーニバルに出てくるCJ殺人事件が成立しないではないか(笑)
それに、表紙カバーにも意味を持たせていたはずだけど、どうなったんだろ。
文庫版読んだ人の感想を探すしか?
それと、清涼院流水と言えば、カーニバルで言ってたね。
『コレが小説ならまだページがたっぷり残っているから世界が終わったりはしないと分かるだろうが・・・』って
それ考えると推理小説なんてのは残りページの見えないデジタルノベル形式をとった方がいいのかもね。
もちろん拙者は紙のページを一枚一枚めくるのが好きだけど(笑)、やっぱ推理小説のドキドキスリルを高めるためにはそんな新システムでミステリを読むのも良いかも、なんて思ったり。