八月後期
『アーサー王最後の戦い』・『\ ノウェム』・『ハリー・ポッターと賢者の石』
『大妖怪』・『五分後の世界』・『辺城浪子,2』
『真っ暗な夜明け』・『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
『サトクリフ・オリジナル,3 アーサー王 最後の戦い』
ローズマリ・サトクリフ 山本史郎:訳 原書房
読始8/16 読了8/17
コメント・・・
サトクリフのアーサー王三部作最終巻。で、面白かった。
この回はブリテンの没落物語なんだけどね。ま、その辺が玉の落ちる線香花火のような面白味になったか。
キャラクターに好きな者はいない(爆) 全員、ダメ
親友ランスロットと妻グウィネヴィアの仲を知りつつ何も知らない振りをするアーサー。
ブリテン乗っ取りの悪巧みをするモルドレッドはアーサーと彼の実姉モルゴースの間に作られた子供。
モルドレッドに踊らされるガウェイン・アグラヴェイン。
思い入れする要素一欠けらもなし(笑)
でも、そのかわり誰が死んでも問題無し。思う存分殺しあえ、と神視点で読めるわけよ。
途中まではモルドレッドを応援するのもイイかな、と思ったんだが、最後で小物に書かれてたからどぉにも・・・
アーサーとモルドレッドの親子一騎打ち。ランスロットとガウェインの親友対決。
見栄えのするシーンは多い。
しかし、まぁ、全体的に見れば所詮は不倫伝説でしかないわけで。
こんなモノを国の代表的な物語として掲げているイギリスってなんだかなぁ、ということになる。
イギリスはメシもマズイって言うし(爆) あ、だけどホームズがいるね。良かった良かった。
『\ ノウェム』
古橋秀之 電撃文庫
読始8/17 読了8/18
コメント・・・
金庸の影響を受け、武侠小説っぽいものを書こうとした作品。
まぁ、どっちかというと金庸というより古龍の角度だと思うが・・・
五行鏢局ののん気なお頭趙五行と少数精鋭の鏢士たち。
彼らが道中で猿を手下に山賊をしていた鬼手の九郎を取り押さえたところで話が進む。
彼らの本拠地、周天荘に現われた謎の剣士罪炎。
炎の気を込めた剣でバッサバッサと人を斬る。一日十人殺すのが強さの秘訣、って・・・
そんな感じの、まぁ、導入編。いくつかの謎を設置しただけで終ってしまう。
人気が出たら続きが書かれるのだろうが、多分無理(爆)
つまらないってワケじゃあ無いんだけど、物足りない。
武侠小説を売り出していこう、と数巻かけて押し出せよ、と言いたいんだが・・・
そんな事をしたって得するのが金庸を売ってる徳間書店じゃあ電撃としてはやる気が出ないよなぁ(笑)
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『ハリー・ポッターと賢者の石』
J.K.ローリング 松岡佑子:訳 静山社
読始8/18 読了8/23
コメント・・・
うん。普通に面白い。
赤ん坊の頃、魔法使いだった両親と共に、悪の魔術士ヴォルデモートに殺されそうになったハリー・ポッターは、なぜか額に稲妻型のキズを受けただけで生き延びた。
その後、親戚の家でおじさんおばさん息子にいじめられつつ成長するのだが。
ある日魔法学園から入学案内が届いてからようやく明るい話になる(笑)
それなりに優秀な兄弟にコンプレックスを感じるロン・ウィーズリー。
学業熱心な優等生だが人には好かれにくい少女ハーマイオニー・グレンジャー。
そんな友人と共に魔法を研究したり失敗したりイタズラをしたりドジ踏んだり秘密に立ち向かったり。
お約束ではあるがワクワクするストーリー。
しかし、魔法の世界に不思議スポーツが存在する、ってのはアリス以来の伝統なのか?(笑)
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『大妖怪』
藤原審爾 集英社文庫
読始8/19 読了8/24
コメント・・・
とりあえず、江戸時代辺りが舞台かな?
様々な人が妖怪と戦う話が六編。
勇者が一人で妖怪退治、というファンタジーな話ではなく、むしろ石器時代にマンモスを村掛かりで必死に倒す、というような集団で戦う形の方が多いかな。
だいたい村を全滅できるレベルの妖怪で「大妖怪」というには微妙な敵ばかりだが・・・
まぁ、微妙くらいの妖怪でないとそれを倒すことが出来なくなるか。
国が揺るぐほどの『大』妖怪は無し。
一般市民と協力して戦う侍、という展開は珍しいし、それなりに面白かったかな。
『五分後の世界』
村上龍 幻冬舎文庫
読始8/25 読了8/27
コメント・・・
作者が最高傑作というだけあって面白い。
五分ずれた世界に飛び込んだ中年、小田桐。
そこは、ポツダム宣言を受け入れず戦争を続けていた日本であった。
いや、日本人は26万人にまで減少し、地下に潜み、ゲリラとしてのみ存在しているような世界。
小田桐は強姦・殺人以外の犯罪はほとんど行った、というくだりでクソ人間だなぁとか思ったんだけど
この世界に紛れ込んでからの、冷静な状況判断。老獪なしたたかさ。この辺が気に入った。
別世界に飛び込んだからってパニックを起こすような頭の悪いキャラは嫌いだ(爆)
その点、犯罪歴のある小田桐は強かったというわけか。
さすがに戦場で命の危険にさらされれば情緒不安定にもなるが、それは仕方なかろう。
しかし、ゲリラ兵の無駄のないスムーズな動きを「ペレ」で表現するのは笑うところか?
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『辺城浪子,二』
古龍 岡崎由美:訳 小学館文庫
読始8/28 読了8/28
コメント・・・
人が死ぬ死ぬすごく死ぬ。次から次へと人が死ぬ。
人数だけなら一巻の方が多く血が流れているが、今回は重要そうなキャラがほとんど死ぬ。
黒装束に黒い剣を持つ謎の復讐剣士、傅紅雪が狙う仇はどうやら馬空群で間違いないようだ。
そんな彼の周りをウロチョロするのは、武器を見せず、ボロを着たナンパ男、葉開。
傅紅雪に無駄な殺しをさせない?など不思議な行動を取る葉開の正体はまだ謎だが、それ以外の部分は明らかになってきた。
その結果・・・万馬堂は持ち主であった馬空群によって焼き払われ、誰も手に入れることは出来なくなった。
馬空群は姿を消し、傅紅雪は今までどおり足を引きずりながら後を追う。
かなりの急展開だな。
戦闘シーンでかっこいいのは、殺られる相手が死ぬまで相手の武器を見ることが無い、というところだ。
一瞬で腹を貫いた剣は、腹から生えた柄しか見ることが出来ず、またあるものは相手がどんな武器を使ったのかもわからずに命を落とし・・・
3,4巻でもこんな熱い戦いが見られるかな?楽しみ楽しみ。
『真っ暗な夜明け』
氷川透 講談社ノベルス
読始8/29 読了8/
コメント・・・
大学時代バントを組んでいた7人が久しぶりに集まり、飲み会を開いた帰り。
みんなと一足先に別れたはずの仲間の一人が駅のトイレで死んでいた。
終電間際の駅には飲み会メンバー以外の何者の姿も無く。
つまり犯人は・・・この中にいる!?
という感じの限定空間殺人。
色々と話は分散するのだが、なかなかわかりやすいオチと言うか。
ほんの一点だけ考えれば犯人が割り出せたという、意外性と言うか。
とにかく、面白かった。
主人公と作者が同一という点でスルーしようかと思っていたんだけど(笑)
いやいや、読んで良かった。
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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
J.K.ローリング 松岡佑子:訳 静山社
読始8/29 読了9/4
コメント・・・
パワーダウン、かな。
たとえるならスレイヤーズが一巻で魔王退治をして、二巻では単なる魔族退治だった、というような。
夏休み・・・って言っても西洋では新学期が始まるまでのロングバケーションなんだよな。
人間界に戻っていたハリーは、やはりダーズリー家で生活していた。
魔法界では英雄の彼もダーズリー家では厄介者扱い。
恐がられ、押し込められ・・・
そんな難儀も乗り越えてようやく始まった学園生活だが、生徒石化事件などという迷惑なものが発生した。
スリザリンの後継者だけが開くことのできる「秘密の部屋」とやらから、すごいバケモノが解き放たれたらしい。
ヘビと言葉を交わしたことからスリザリンの後継者と疑われるハリー。
一体犯人は何者なのか!?
新しい「闇の魔術の防衛術」の先生であるギルデロイ・ロックハートは顔と調子がイイぐらいしか取り得が無さそうなヘボキャラなのだが・・・
ロンの兄弟のパーシーとジニーも様子が怪しいし。
おっと、ハリーを嫌っているマルフォイ・ドラコもかなり怪しい。
とりあえず、今回一番「魔法」っぽいと思ったのは、日記のシステムだね。
返事をする日記・・・うん、いい。とっても「魔法」だ。
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欄外 ゲームの伝道
サターンサフト デジタルピンボール ネクロノミコン
最近、ポケモンピンボールのCMを見せられているうちに・・・
やりたくなったわけで(笑)
しかし、実機再現なゲームであってテレビゲームならではという味付けが無いのが不満だ。
というわけで今度は球転界というピンボールも買ってきた(爆)
これは注文通りのテレビゲームな味付けがされているのだが、
各種フィーチャーの説明が一切なされていないため自分で調べるしかないというワナ。
少しずつ分かってきたものの、まだ一部のルールが謎。
知らないうちに高得点を取ってたり・・・