八月後期

『始まりはいつも不自然』『反骨列伝』『トップラン,1』
『魔人,3』『創竜伝,12』『算学武芸帳』
『螺旋』『女神よ、永遠に』『海賊船ウォースパイト号』
『謀臣列伝』『東京ナイトメア』『ホワイトパウダー』
『怪盗フラクタル最初の挨拶』『算学奇人伝』『ロストユニバース,1』
『ロストユニバース,2』


『特殊駆逐業者出勤ファイル,1 始まりはいつも不自然』
小林めぐみ 角川スニーカー文庫


読始8/16 読了8/16

コメント・・・
サニーサイドアップと比べると断然面白い。
敵でも何でも女に甘い皓平。
サムライか、と思わせておいて実は実演販売が趣味(?)の千寿(男)
マッドサイエンティスト志望の美貴(男)
現場で拾われたネコ耳少女、寧々(仮名)
そんな連中をまとめる暴力経営者、すず(女)
さらに笑える脇役多数。
ん、だけど・・・
キャラはともかく、ストーリーはどうかな?
宇宙人によってハイテクを回して貰ったらしいけど、今回の仕事は幽霊退治(?)だったんだし。
ハイテクなのかオカルトなのかはっきりさせた方が良いんでないかい、と思うね。
が、まぁ、良し。



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『反骨列伝』
伴野郎 PHP研究所


読始8/16 読了8/18

コメント・・・
いいよね、反骨
響きが漢だよね、反骨
今回もやはり間違った形で意地を張る人もいるけど、それもまた良し!
華陀の治療歴にはちょっくら怪しさ爆発なエピソードが連発してたけど・・・
それに、一休さんの『屏風の虎』や、千利休の『三杯のお茶』の原典がこの本には存在する。
果たして、一休さんや利休自身がこの古典に親しんでいたのか、それとも、歴史戯作者が中国古典から面白そうなエピソードを引用(盗用)したのかは永遠の謎である(笑)
とりあえず、今回は・・・
金も名誉を求めない賢者、魯仲連と、敵国王に頭痛を起こさせるほどのプレッシャーを持つ漢、藺相如が気に入った。
他にも良いキャラはいるけど・・・
とにかく、反骨
男ならとりあえず読むしか!な一冊である。




『トップラン 第1話 ここが最前線』
清涼院流水 幻冬社文庫


読始8/17 読了8/18

コメント・・・
コメントできないってば(爆)
いや、つまんないとか意味不明とか言う意味じゃなくてね。
まだ導入部、導入し終わってるかどうかすらわからない始まったばかりのストーリー。
・・・
それならまぁ、コレ単体を指してつまらんと言ってもいいか(爆)
ダラダラと続く中盤・・・1999年から2000年に何が起こったか、というMEMOとしては役に立つかも分からないけど?(爆)
さて、ストーリー内容は、
33問の心理テストを受けるだけで100万円!、という美味しい話を持ちかけられた音羽恋子の物語。
しかし、なぜ音羽?
講談社に書くためのネタだったんと違うか?
さて、この心理テストによって人間に値段を付けるらしい。
二巻にはその採点表がつくという。
ドキドキドキ(笑)
ま、拙者の価値は0にして無限。数字じゃあらわせんわな。
(と、いいつつテストの解答を書くのであった(笑))



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『魔人 第3部 妖夢』
菊地秀行 カッパノベルス


読始8/18 読了8/19

コメント・・・
長編復讐小説・・・ということなのだが・・・
そもそも、1,2巻を読んだのが一年近く昔の話なので、主人公の復讐事情を忘れてしまっている(爆)
半年の間、機械を使って眠らされていたんだけど・・・
何で殺されなかったんだっけ?など・・・
結局ストーリーはそこそこだし、第一部完と言うタイプの終わり方。実際作者も続きを書くって言ってるし。
ただ、所々にサスガは菊地秀行!と唸るような表現もあり。
ファンなら読み。
でも、そんだけかな(爆)




『創竜伝,12 竜王風雲録』
田中芳樹 講談社ノベルス


読始8/18 読了8/19

コメント・・・
今回は竜堂兄弟の活躍は無い。
竜王兄弟が活躍。
時代は平成ではなく、宋の時代。
また今回も外伝というか、余の夢編というか、現代で牛種と争う話では無いのだ。
面白いは面白いけど、期待をスカされたという気持ちも無いではない。
様々な歴史上のキャラクターが出てくるので、時代知識を持つモノにとっては堪らないんだろうけど、あいにく拙者は宋代には疎くて、な。
宋と言っても、梁山泊に人が集まる140年前。
水滸伝キャラは出てこないし。
何か一冊その時代の小説読んでからの方がいいのかもね。
あ、そうそう。古典落語「饅頭コワイ」のエピソードの原典がこの時代にあるとか、アラビアンナイトのアラジンは中国に住んでいましたとかいうウンチクも付いています。
梁山泊の泊は浅い湖の意で梁山泊はあの琵琶湖の6,7倍の広さがある・・・なんてのは初耳&驚きのデータだよ。
うん、まぁ、買っただけの価値は十分にあったけど、続き・・・現代バージョンを2年以内に出して欲しいな(爆)
おお、そうだそうだ。何か足りない足りないと思ってたんだけど、その正体が掴めた!
「権力者とのケンカ」(笑)
ダメだよ、悪の権力者を暴力で駆逐しないと(笑)



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『算学武芸帳』
金重明 朝日新聞社


読始8/19 読了8/19

コメント・・・
なんとなく、津本陽の拳豪伝に似て無くもない。
ただ、武芸帳とタイトルに有りはするモノの、和算術に生涯を熱血させた漢の物語なので違うと言われればソレまでか?
算学と言っても、具体的な数字は全く現れず曲線がどうの、面積が、体積が・・・
読書のついでにさりげなく算学について嗜もうか、と思ってもそれは叶わない。
すなおに数学の参考書でも開けば?それはヤダ(爆)
しかし、江戸時代・・・結構盛んなんだよね、算学。
大店の旦那が暇つぶしに、とかさ。何をどんな風に数字と戯れるのか・・・
現代教育しか受けていない拙者には想像しにくい所もある世界だってばよ。
ちなみに、朝松健の『大菩薩峠の要塞』にも戸川流和算術なんて芸が出てくる。
大砲の弾道予測と発射角の決定に使う方程式なんだけどね。
江戸時代にはすでに微分積分が存在しているのである。計算機はもちろんソロバン。
負けちゃならんぞ、現代人!(笑)




『螺旋』
山田正紀 幻冬社推理叢書


読始8/19 読了8/24

コメント・・・
タイトルは一応「スパイラル」と読む。
らせんと読んだら、あのホラー(読んだこと無ぇ)と同じになってしまうではないか(爆)
で、内容はというとちょっとズルイ系。
ネタバレになるから書けないけど、推理・・・できるか?
結構長々と読まされてアレでは、ちょいと納得いかなかったかな。
まぁ、確かに、殺人事件の犯人が天才的な頭脳を持つ一匹狼でなければいけないというルールは無いけど。
そもそも、こっちは事件自体、有って無いようなモノだし。
結局、千葉に詳しくなっただけかも。
ちなみに、拙者が解けた謎は二つ。ドアのラクガキの正体=0,1秒で解決。 消された駅名=1,2秒で解決。ただし、それ以外は全部空振り(爆)いや、都築が実はいい人(?)を予想済みか(笑)
あまりお薦めはしないけど?



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『ソード・ワールド・ノベル 女神よ、永遠に』
安田均・高井信 富士見ファンタジア文庫


読始8/24 読了8/25

コメント・・・
お馴染み、ドワーフのくせに賢者をやっている迷探偵デュダの物語、最終回。
ワガママ&暴走気味のデュダについていく人間が多いのは、人柄よりもむしろ、『面白いハプニングに遭わせてくれる』だろう(笑)
今回も、謎過ぎる詩に隠された暗号を酔っぱらったイキオイだけで解読してしまうデュダ。
さあ、お宝に向かって冒険を始めるぞ、と
面白いよ、このシリーズ。
ただ、わざわざ第一話に連環させるようなネタは、わざわざ書かなくても良かったんじゃないかな。




『海賊船ウォースパイト号』
飯泉聡 ソノラマ文庫


読始8/25 読了8/27

コメント・・・
ひょんなことから王女様を拿捕してしまった海賊船ウォースパイト号。
女船長は陸で恋人探しの真っ最中(結局最後まで出てこない(笑))
船長代理のジャニスはただのネコ(爆)
船長代理の代理をしているシンはどうしようかと頭をかかえるうちに、自分がお家騒動の渦中に投げ込まれるとは思いも寄らないのであった。
というわけで、気軽に読める革命話。
血の出るシーンはほとんど見えないところで行われるので(爆)ライトでポップなアドベンチャー部分だけ読めます。
素人向けかな。
わりと面白い。続きが出るなら読むだろう。




『謀臣列伝』
伴野朗 実業之日本社


読始8/27 読了8/27

コメント・・・
謀臣と書くとなにやら妖しく響いてしまうが、コレも一つの反骨列伝。
武力ではなく知力に優れた漢達の物語。
劉邦の下で栄達した張良や陳平。三国志で有名な魯粛に郭嘉。
みなさん、熱い生き様を送っています。
まぁ、あまりのめり込んで「戦争の一つも起きないモンかな」などと言い出されたらかなわんけど、こんな時代に生きた男の話を読んでおいて損はないでしょう。
面白いし。




『薬師寺涼子の怪奇事件簿 東京ナイトメア』
田中芳樹 講談社ノベルス


読始8/27 読了8/28

コメント・・・
ドラキュラも避けて通るという通称『ドラよけお涼』の物語,2。
今回は財務省に隠されたバケモノの話。
黙って立ってりゃスーパーモデルのお涼の前に降ってきた死体一つ。
ハイヒールで全力疾走し、スピードを落とさず直角に曲がる姿は小早川奈津子だってビックリだ(笑)
そんな彼女の部下として切ない日々を送る泉田君。
なにせ、上司だろうが政治家だろうが気に入らなければ誰にだって噛みついていく彼女のそばに付き従わなければならないのだ。
心労が耐えないことだろう(爆)
と、まぁ、そんな、オカルト込みのドタバタ劇。
最高、には届かなかったけど、結構面白いです。



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『ホワイト・パウダー 探偵薬剤師』
米山公啓 幻冬社推理叢書


読始8/28 読了8/29

コメント・・・
突然の不整脈で死んだ患者の爪にはカフダールが付着していた。
カフダールはアンフェタミン(麻薬)に構造式が似ている、ということは、カフダールから簡単に覚醒剤が作れるということだ。
そして、薬剤師の水月美樹子はなにやらキナ臭いにおいに反応して探偵の真似事を始めるのである。
でもねぇ、推理小説ではないのだよ。
特に、トリックや動機をもって読者に謎解きを仕掛けるわけではなく、サスペンスドラマのように勝手にストーリーが進んでいく。
それなりに、裏が目的だった、という半どんでん返しは巧いと思ったけど、推理小説ではなかったという事実にどういう点を付けるかは悩み所。
ま、自己推理をしない人には勧めても大丈夫だぞ、と。




『怪盗フラクタル 最初の挨拶』
辻真先 講談社ノベルス


読始8/29 読了8/30

コメント・・・
どうかな。
うん、まぁ、一応推理小説か。
しかし、作者は怪盗の方を書きたかったのだからこのくらいでいいのか?
一つのオチに気付いて、事件の正体は掴めなかった、と。
えー、内容は、『映画監督の遺品を盗ませて貰う』という怪盗フラクタルの予告状に呼ばれて集まった、助監督達と探偵。
しかし、盗みより先に謎の殺人事件が起きて・・・
まぁ、面白かったか・・・な
推理モノとしては、なんか物足りないけどねぇ・・・




『算学奇人伝』
永井義男 TBSブリタニカ


読始8/30 読了8/30

コメント・・・
最近拙者のマイブームとなったのが『和算』である。
和算術家、吉井長七の物語。
この間読んだ算学武芸帳とは違って問題の図形と解が書かれているのでイイ感じ・・・と思ったら一問だけかい(爆)
まぁ、他にサイコロゲームの分析が二つあったかな。
と、いうわけで、問題数的には少々不満が残るモノの、読みやすく、問題の解をストーリーに絡めてくるので(宝探し)よろしいのではないだろうか。
ここはひとつ、物足りなさに目をつぶって面白かった、の評価を与えよう。
みんなも和算小説にハマってみないかね?
ところで、日本の算学界では図形問題が人気だったようだ。
算額なる図形問題を制作し、神社に奉納するのだ。
ワタリの算学者は行く先々の神社を訪ねては、写し取り、謎解きしながら次へと旅立つ。
今、暇つぶしにクロスワードをやるようなモンなんだろね(笑)




『ロスト・ユニバース,1 幻夢 目覚める』
神坂一 富士見ファンタジア文庫


読始8/30 読了8/31

コメント・・・
ぢつは、平成4年の本なんだよね。
その頃はすっかり神坂一・・・いや、スレイヤーズにドップリ浸かって死ぬほど笑っていたのに、なぜ読もうとしなかったのか!?
謎である。
で、感想はと言えば、悪くはないけどパッとしねぇな、と。
例えるなら、「中村うさぎはゴクドーくん以外はどーもね」と、同レベルの話である。
まだ、今持ってる感想は、「キャナルってアニメ版とデザインが全然違うアル」程度(爆)
いや、もう一つ。
神坂一は魔王と竜王シリーズを全部書くつもりなのだろうか、と。
ロスユニはヴォルフィードVSデュラグディグドゥ
闇を撒く者は、まだガウリイからゴルンノヴァを取り返していないはずだ(笑)
勝ち目は有るゾ。ケイン=ブルーリバー




『ロスト・ユニバース,2 妖夢 蠢く』
神坂一 富士見ファンタジア文庫


読始8/31 読了9/1

コメント・・・
そうか、そうだったのか、と気付く。
スレイヤーズの最終回付近はナンか雰囲気変わってヘンと思っていたが、下地はすでにあったんだ、と。
1巻に続き、2巻でもメインサブがその命を失う。
それはそれとして、内容は並み。
主人公ケインは、マントを羽織ることにポリシーを感じる以外には別に特徴無いし(爆)
宇宙を舞台のSFも、結局マジカルなネタを使っているため、ますますスレイヤーズと切り離して考えられない。
しかし、3巻以降をいつ読めるのか。それがぢつは一番の問題かも知れない・・・




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欄外 独り言コーナー


図書館の開館時間を間違えて30分ほど早く着いてしまった。
すでに、70人近く並んでいた。
いやぁ、笑うしかない?
拙者は館内に陣取って読むタイプではないので、借りるだけ借りて帰るんだけど、さ。
いいよね、図書館。クーラー効いてるし(笑)