四月後期

『バトル・ロワイアル』『クビキリサイクル』『ファンタズム』
『閃光戦隊ジュエルスターズ,2』『アーサー王と聖杯の物語』『プリズンホテル,2』
『プリズンホテル,3』


『バトル・ロワイアル』
高見広春 太田出版


読始4/19 読了4/21

コメント・・・
ナニを今さら、って感じで時代遅れの選択を。
だが・・・面白い。困った事に、面白い。
言わずと知れたストーリー。孤島で中学生42人が最後の一人になるまで殺しあう・・・
そんなクソふざけた、悪趣味なストーリーが面白いのだ!!
何の因果か、殺し合いプログラムに参加させられる事になった三年B組の面々。
恐怖に怯え、あるいは嬉々として、いままでのクラスメイトを手にかけてゆく。
やられる前にやれ・・・と、言われたからでもあるまいが、(常識組の)想像をはるかに越える速さで死者続出。
そんな彼等の様々な思い。一人一人の葛藤がマッハでぶつかってくる。
消える直前の線香花火のように、激しく輝く命の灯火。
それが、熱く、美しいということか・・・
激しく名作!!!



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『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』
西尾維新 講談社ノベルス


読始4/21 読了4/24

コメント・・・
話には聞いていたが、さすがにボディに来た。
主役の玖渚友の自分称。「僕様ちゃん」 ヒザがガクっと崩れたよ(笑)
さて、事件の話であるが。
さる事情で孤島に閉じ込められた超お嬢様、赤神イリア。
彼女はヒマつぶしに、島に天才を招くことを趣味としているのだが・・・
だが、その島に招かれた天才の首が、切られた!
そして、その事件に立ち向かうのが「玖渚友」とその付添い人「いーちゃん」。
まぁ、ある意味ネタバレになるが・・・
不自然さの残る解決編>足りなかったピースを埋める>全てが反転する驚き。
って感じで、激しく興奮させてくれる。世界をぶち壊す感じ・・・麻耶雄嵩に近いかな。
次作も楽しみだ。
それにしても最後まで名前の出て来ない付添い人「いーちゃん」 全然関係ないけど作者の名前は西尾維新。



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『ファンタズム』
西澤保彦 講談社ノベルス


読始4/24 読了4/25

コメント・・・
好みじゃ、ないな。
この手のキチガイ殺人者というストーリーは。
殺人というのはもっと理論的で計画的でスマートであるべきなんだが・・・(殺しちゃダメだってば
それを抜きにしても、この作品が元々ミステリじゃないし。
いや、前書きでちゃんとミステリでないことを断ってるけどさ・・・
オチが無い。
ありえない殺人を作るだけ作って、投げっぱなしジャーマン。
不完全燃焼にも程があるっつーの。



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『閃光戦隊ジュエルスターズ,2 紅の超戦士』
秋津透 富士見ファンタジア文庫


読始4/25 読了4/27

コメント・・・
別に、読みたかったわけではないんだが。作家名を大きくしたかったのでとりあえず・・・
そりゃあ、もう5,6回も読んでいればネタもバレバレで楽しむもへったくれも無いんだよな。
閃光戦隊ジュエルスターズ。
財政及び(暴走加減の)正義感担当:ジュエルサファイア。
格闘及び常識担当:ジュエルダイヤモンド。
アイテム製作及び天然ボケ及び良心担当:ジュエルエメラルド。
正義の味方としては何か足りない気がする女子高生三人組の前に現れた、謎の美少女戦士。
彼女の圧倒的な攻撃力の前に、銃弾すら受け止めるジュエルスーツも歯が立たない。
どうするどうなるジュエルスターズ?というワケなんだが。
まぁ、本当に重要なのは悪の組織IKAIYOの美少女脳天気戦士、渚の活躍なワケで。
ライトノベルではトップレベルの超絶艶技の前にタカビーお嬢がなすすべもなく(・∀・)アヒャ。




サトクリフ・オリジナル,2 アーサー王と聖杯の物語』
ローズマリ・サトクリフ 山本史郎:訳 原書房


読始4/28 読了4/28

コメント・・・
ついに円卓の騎士が聖杯探しの旅に出る。
のだが、よくわからないところが・・・ 聖杯探しのルール、ね。
聖杯のありかは分かっているんだけど、自分からそこへ向かうのではなく、聖杯に導かれてそこへ向かわなければならない、らしい。
まずはクエストをこなして、フラグ立てをしなければならない。あるいは・・・
犯人がヤスだとわかっていても、いきなり逮捕はできない、って感じ。
わかるぅ?このたとえ。
あぁ、そう言えば前回250と言った円卓の席は150だったようだ。
円周150メートルと仮定すると、直径50メートル程度の円卓・・・それでも十分すぎる大きさだな。
旅立つ150人の騎士。
笑い話にもならないのが、円卓の騎士同士で殺し合いを始めることもあるという・・・バカすぎ。
メインキャラは聖杯に選ばれた、ランスロットの息子ガラハッド。と、彼の付き添いでパーシヴァルとボールス。
ついでに、と言ってはなんだが、聖杯に選ばれなかった悲哀を描く(?)ランスロットの物語も。
やはりアーサー王の妻であるグウィネヴィアと関係を持っているというのが聖杯に近づけない理由のようだ(笑)
この時点でランスロットはずいぶんと老いているようなんだが・・・そんなんでアーサーと喧嘩できるのだろうか?
まぁ、神話的伝説だから、この話の中にも400年生き続けるキャラとか出てくるんだけどさ。
ところで、聖杯に選ばれたガラハッドが全然善良なキャラに見えなかったんだが・・・
むしろ全てを破壊する呪われた騎士、って感じ。




『プリズンホテル,2 秋』
浅田次郎 集英社文庫


読始4/29 読了4/30

コメント・・・
諸君 私はプリズンホテルが好きだ。
諸君 私はプリズンホテルが好きだ。
諸君 私はプリズンホテル・秋が大好きだ。

木戸孝之介が好きだ 仲蔵親分が好きだ 花沢支配人が好きだ 黒田番頭が好きだ
アニタが好きだ ゴンザレスが好きだ 梶板長が好きだ 服部シェフが好きだ パンツ職人の父親が大好きだ

駅前で フロントで 温泉で 食堂で バーで ロビーで 個室で 廊下で 宴会場で

このホテルで行われるありとあらゆる行為が大好きだ。

花沢支配人が愛情をもって客の心を解きほぐすのが好きだ。
大馬鹿の孝之介に自分の穿いている東神田木戸衣料謹製のパンツを見せつけ、黙らせた時など心が踊る。

ナベ長さんが鬼松を静かに押さえつけるのが好きだ。
鉄砲常にナベ長さんの昔話を聞かされた鬼松が涙をあふれさせるシーンなど胸がすくような気持ちだった。

ヤケクソになった柏木ナナが拳銃を撃ちまくるのが好きだ。
ヤクザと警察をまとめて恐慌状態にした様など感動すら覚える。

銘包丁・千代鶴が紛失した時の話などはもうたまらない。
料理人たちが必死になって探し回るのも最高だ。
追い詰められた美加たんが持っていた千代鶴があんなことになった時など絶頂すら覚える。

耐え続ける女性陣が好きだ。
親に捨てられた程度の過去を盾に、彼女等を殴る蹴るするのはとてもとても悲しいものだ。

署長がスマキにされるのが好きだ。
助けを求めた小学生に「ゴメンですんだら警察は要らないのよ」と言われるのは屈辱の極みだ。

諸君 私は布教行為を 地獄のような布教行為を望んでいる。
諸君 私と同類の読書家諸君。
君達は一体何を望んでいる?
更なる乱読を望むか?
情け容赦のない糞の様な乱読を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の般ピーを殺す 乱読を望むか?

「読破! 読破! 読破!」

よろしい ならば乱読だ。
我々は渾身の力でもって出版社に虐げられ続けている被害者だ。
だがこの暗い闇の底で百年もの間あざ笑われ続けてきた我々にただの乱読ではもはや足りない!!
大読破を!!
一心不乱の大読破を!!

我らは数だけ多い乱読者 単なる読書家に過ぎない。
だが諸君は一騎当千の読書家だと私は信仰している。
ならば我らは諸君と私で総力百万と一人の読破集団となる。
我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう。
髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ教え込んでやろう。
連中にプリズンホテルの素晴らしさを教えてやる。
連中に我々と同じ感動を押し付けてやる。
天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる。
一千のプリズンホテル信者の集団で世界を修正し尽くしてやる。
「またどうぞお越し下せえ」



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『プリズンホテル,3 冬』
浅田次郎 集英社文庫


読始4/30 読了5/1

コメント・・・
言うまでもなく、ヤクザのオヤビンがオーナーで、従業員のほとんどが構成員という恐ろしいホテル(笑)
オヤビンとしては出所直後のヤクザの骨休めになるようなホテルにしたかったらしいが・・・
ときどき間違ってやってくる一般客にとっては悪夢のようなホテルなのである(笑)
今回もイイ話はイイ話だが、ちょいとおとなしめ。
まいどおなじみ主人公の(と、言ってもドラえもんにおけるのび太くんの役だ)木戸孝之介&奴隷の清子。
山男の武藤嶽男に名も無いいじめられっこ。
そして、「きんぴか」から登場してきた看護婦血まみれのマリア。ついでに安楽死を実行した医者、平岡。
今回の客は、手ごわい?
このホテルにプレッシャーを感じるものは無し(笑)
アルペニストの武藤さんに会えた喜びで舞い上がる板長らあじさい山岳隊のメンバーは笑える。
さて、この楽しいストーリーも後一冊で完結か・・・読むのがもったいないな・・・



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欄外 ゲームの伝道


サターンソフト 天外魔境 第四の黙示録。
ゲームバランスは簡単すぎると言う意味で三流だが、
さすがは広井王子と言えるだけのストーリー展開。
200円の価値は十分にあるな(笑)